矯正治療の資格制度
矯正歯科では、一般の歯科とは別に専門の知識と技術が必要です。
資格について院長の考え
現行の法制度において矯正治療は歯科医師であれば、誰でも矯正治療が出来てしまいます。その結果、患者様に不利益となるような事態が生じていることも報告されていますし(NG矯正へ)、他医院で治療中の患者様が当医院にセカンドオピニオンを求められて来院することもあります。
このサイトを読んでいただいている皆様には、矯正治療には様々な方法があると同時に、様々な矯正医がいることを知っていただきたいのです。
矯正歯科治療の資格制度とは
患者様が客観的に“信頼できる”と判断できる基準のひとつに、矯正歯科治療の資格制度があります。残念ながら、矯正歯科では厚生労働省が認可する専門医制度はありませんが、日本矯正歯科協会(日本歯科矯正専門医認定機構)、日本矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会がそれぞれの資格制度を持ち、厚生労働省の指導のもと共通の基準作りを検討しています。
※矯正治療に関する資格を取得していなくとも、尊敬できる治療を行う矯正医はいらっしゃいますが、このような資格は一つの指標にはなるかもしれません。
JBO認定歯科矯正医とは
特別非営利活動法人・日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)が審査・認定を行う矯正歯科治療の資格制度です。患者様が安心して治療を受けられるように、一定レベル以上の矯正治療の質を提供でき、“信頼できる”矯正歯科医を認定することを目的としています。
実際の矯正治療の臨床経験を最も重視し、審査を受けるためには100症例という膨大な治療リストを提出しなければなりません。日本歯科矯正協会は、JBOに専門資格の審査・認定を委託しています。
JBO認定歯科矯正医
- 矯正専従医としての経験が5年以上あること
- 100症例以上の矯正治療経験を持つこと
- 100症例の中から審査委員に指定された5症例について評価を受け、合格すること
日本矯正歯科学会認定医・指導医とは
日本矯正歯科学会が審査・認定を行います。こちらも、矯正歯科医療の水準の維持・向上によって患者様に適切な医療を提供することを目的としています。
「指導医」は、矯正歯科の研修医を指導することができる矯正医です。大学の矯正歯科での3年以上の教育指導歴が必要となります。
日本矯正歯科学会認定医
- 歯科医師免許を持ち、5年以上継続して日本矯正歯科学会の会員であること
- 2年以上大学の矯正科で基本研修を受け、指導医または専門医の下で3年以上臨床研修を受けること
- 学会の認めた学術刊行物に矯正臨床に関する報告(論文)を発表すること
日本矯正歯科学会指導医
- 歯科医師免許を持ち、12年以上継続して日本矯正歯科学会の会員であること
- 認定医の資格取得後、大学において3年以上の教育指導歴があること