ー こどもの矯正治療 ー
こどもの矯正治療の特徴
あごの成長を利用することができる
こどもの矯正では、歯を並べるためのスペースを確保する際に、あごの成長を治療計画に考慮できる場合があります。
歯を動かす期間が大人より短くなるケースがある
矯正治療は、歯周組織の吸収や再生(骨の代謝機能)を利用して歯を動かしていきます。成長期のお子さまは、大人と比べて骨の代謝が活発な方が多いため、治療の進行が早く感じられる場合があります。
ただし、治療期間は歯並び・噛み合わせ・生活習慣などにより大きく異なるため、すべての方に当てはまるわけではありません。
大人の矯正より費用がかからない場合がある
こどもの矯正は大人の矯正よりも治療期間が短くなるケースもあります。そのため、1期治療のみで希望の噛み合わせが得られる例では、トータルの費用が大人の矯正より少なくなることもあります。
ただし、成長後に2期治療が必要となる場合もあり、治療内容によって費用は大きく変わります。
こどもの矯正治療で大切な
「6つのポイント」
1.お子様の矯正治療に
何を求めるか?
お子様の矯正治療に何を求めるか? 当院では、歯並びの整えだけではなく、「口元のバランス」と「かみ合わせの適正」も併せて重視しています。
お子さんの矯正をしていると、「こどもの抜歯、非抜歯の問題」というのがあります。
当院では、将来的な歯の並びや口元の調和を考慮し、抜歯のご提案をさせていただく場合があります。当然、お母様やお父様にしてみれば、「大事なこどもの健康な歯を抜きたくない!」と思われるでしょう。
そのような選択をせまられた場合は、「本当にお子さんにとって将来何が必要なのか?」「歯並びだけが良くなったにもかかわらず、口元が突出していても良いのか?」というところまで、是非、考えて頂けたらと思います。
2.こどもの矯正治療の
タイミング
こどもの矯正治療には、永久歯の萌出状態によって2つの開始のタイミングがあります。
ひとつは乳歯と永久歯が混じった混合歯列期で、だいたい6歳から12歳ぐらいに相当します。混合歯列期の矯正治療を1期治療と言います。
こどもの矯正治療時期は、1期治療と2期治療の2種類があります。
1期治療
乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)に行う治療です。顎骨の成長期を活用して治療を進めることで、非抜歯での治療を検討できる場合があります。1期治療で歯並びや顎の成長が安定することがあり、その場合は追加治療が不要になる例もあります。
ただし、多くの方では成長後に2期治療を行うことでより安定した噛み合わせを目指します。
2期治療
永久歯が生え揃った後に行う治療です。この前に1期治療を行っている場合には、2期治療の期間が短くなったり、負担軽減が期待できます。
どちらのタイミングで治療を開始するかは、患者様のお口の状態や成長の予測によって異なりますので、お子様の周りのお友達が始めたからといって焦ったりせず、まずは矯正歯科医にご相談なさってください。
3.1期治療が
必要となるケース
1期治療を行うのは、早期に治療をする必要があると考えられえる場合のみです。
緊急性を認められない場合は、永久歯が生えそろうまで定期観察を続けます。
2期治療が不要となる、または治療期間を短縮できる可能性があるケース
混合歯列期に矯正治療を行うことで、永久歯が理想的な状態で生えて来ることが予測できる場合。
または、混合歯列期の不正咬合をそのままにしておくと、永久歯列期により重度な不正咬合となることが予測される場合(永久歯が生える場所がないため、横から生えてひどい叢生になってしまうなど)。
2期治療における患者様の負担が軽減できる可能性があるケース
2期治療が必要なことが予測されていても、混合歯列期に1期治療を行っておいた方が2期治療が効果的に進むと思われる場合。
成長や歯周組織に悪影響を与える可能性があるケース
かみ合わせや歯並びが悪いために呼吸や咀嚼、発音を阻害して生活に支障が出てしまっている場合。
また、かみ合わせが悪いことで向かい側の歯や歯茎・唇などの歯周組織を傷つけてしまう場合。
4.早く治療を開始した方が
良い症例
お子様の成長やお口の状態によって治療開始に適した時期が異なります。状態によっては早期の矯正治療をおこなう事で将来的な歯並びに良い結果をもたらす場合もあります。
ここでは早期治療によって二期治療を行なわなかった症例をご紹介します。
※同じようなお口の状態であっても、お子様の成長や歯周組織の状態などによっては永久歯が生え揃うまで経過観察を行う場合がございますので、あくまでも参考としてご覧ください。
下顎前突(かがくぜんとつ)とは、下の歯の方が上の歯よりも前に突き出た状態のことです。反対咬合(はんたいこうごう)・受け口(うけくち)とも言います。
治療前(7歳)
こちらの患者様は反対のかみ合わせが深く、下顎が過度に前方へ成長するのを抑えるため、1期治療を行いました。
治療後
上の歯が後方に傾いているのを治すため、上の歯に装置を装着して前に引っ張りました。 このような症例は、早い時期に治療(1期治療)することで、2期治療が必要ない場合もあります。
歯を動かすのに要した期間は、10か月です。 全ての永久歯の萌出後も、かみ合わせは安定し、2期治療は行いませんでした。
| 主訴 | 下の歯が突き出ている |
|---|---|
| 診断名 | 下顎前突 | 年齢 | 7歳 |
| 治療内容 | 上下顎切歯にスタンダードエッジワイズ法にて矯正治療を行いました。 |
| 治療に用いた主な装置 | マルチブラケット装置 |
| 抜歯部位 | 非抜歯 |
| 費用(自費診療) | 約33万円~44万円(税込) |
| 通院回数/治療期間 | 通院回数 12回 / 治療期間 約1年 |
| 副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと口元のバランスを整えるために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
※結果には個人差があります
5.あごが小さい時の
解決方法(抜歯、顎拡大)
歯を並べたいが、顎が小さいため歯が並ぶスペースがない。叢生などの症例がそうです。その際の解決方法としては3つあります。
健康な歯を抜歯しなければなりません。ご両親にとっては、つらいことかもしれません。
非抜歯治療の場合は、本来ならぶべき場所の一回り外側に歯を並べます。歯はきれいに並びますが、口元全体が突出して見える事があるのはそのためです。もちろん抜歯なしで治療できる場合もありますが、当院では、理想通りのバランスのとれた口元や横顔を目指すなら、抜歯をご検討いただく場合があります。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
同意なく抜歯をすることはありませんので、ご安心ください。
十分に顎を拡大されず、歯が並びきらない場合があります。その場合は通常歯が並ぶ場所の外側に歯を並べるため、口元全体が突出して見えることがあります。
上顎の真ん中には口蓋縫合という左右の骨の継ぎ目があります。この上顎骨は薄くて柔らからい骨で、また特に15,6歳ぐらいまではこの継ぎ目が癒合していないので、そこを利用して、人工的に骨折させるよう徐々に拡げていきスペースを作るのがこの方法です。顎を大きくするという観点からすれば、有効な手段といえましょう。
しかし、柔らかくて薄い骨だからといって、このような骨の変形を伴うことが、長期的にみてどのような影響があるかはまだわかっていない部分があります。
歯を削ってスペースを作ります。削ることにより、エナメル質が失われますので、歯の輝きがなくなる恐れがあります。
歯の表面はエナメル質ですので、削ることにより輝きが失われますし、つるつる感もなくなります。上の前歯は特に目立つところですのでおすすめできません。下の歯でしたら、削ることにより最大4mm前後のスペースを確保することができますが、矯正歯科を受診されようという患者様にとっては大きいスペースとはいえません。
「まずは非抜歯で治療して、うまくいかなければ抜歯に切り替える」という治療方針を想定される方もいらっしゃいますが、その場合には歯の移動量が大きくなり、歯に負担がかかることで歯根吸収などのリスクが高まる可能性があります。矯正治療では、最初の段階で治療のゴール(どのような仕上がりを目指すか)を共有し、 そのうえでできるだけ負担の少ない治療計画を選択することが大切です。治療方針については、精密検査の結果や骨格・歯並びの状態、そしてお子さまと保護者の方のご希望を丁寧に伺いながら、適切な治療方法をご提案いたします。
※上記はあくまでイメージモデルであり、実際には、精密検査をしたうえで、お子さんと保護者のお話を伺いながら、治療方針をたてご説明し、治療をしてゆきます。私(院長)も決して、無駄に健康な歯を抜きたいなどと考えているわけではありません。
6.Eラインによる
顔貌変化の確認
Eライン
鼻とおとがいの線を結んだラインをEラインといいます。横顔のバランスを見る指標のひとつとされており、治療の参考情報として扱われる場合があります。
当院では、正面から見た歯並びだけでなく、横顔の印象や口元の調和にも配慮しながら治療計画を立てています。
ただし、顔貌の変化には個人差があり、治療によって必ず見た目が変わるわけではありません。
歯並びと噛み合わせの改善に伴い、口元の見え方が変化した一例です。
治療前は下唇がEラインに重なっていましたが、治療後には口元の突出感が軽減し、すっきりとした印象になりました。
| 主訴 | 上の前歯がほとんど全部下の前歯の内側に隠れてしまう |
|---|---|
| 診断名 | 下顎前突 |
| 初診時年齢 | 14才 |
| 治療内容 | 上下吸切歯にスタンダードエッジワイズ装置にて矯正を行いました。 |
| 治療に用いた主な装置 | マルチブラケット装置 |
| 抜歯部位 | 上下左右の第一小臼歯 |
| 費用(自費診療) | 約88万円~110万円(税込) |
| 通院回数/治療期間 | 通院回数 24回 / 治療期間 約2年 |
| 副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと口元のバランスを整えるために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
※結果には個人差があります。
スタンダードエッジワイズ法による矯正治療
スタンダードエッジワイズ法とは
矯正治療は、理想的な歯列・正しい噛み合わせをゴールとして患者様の歯を配列(はいれつ:順序を決めてきちんと並べること)する歯科治療です。あごや歯の大きさや歯列の状態、不正咬合の程度は患者様によって一人ずつ異なるため、歯を動かす程度や順番も、患者様によって一人ずつ異なります。
当院が用いているスタンダードエッジワイズ法は、患者様の歯列弓や歯並びに合わせてワイヤーを曲げ、歯が動く段階に合わせて細かく調節を行う、一人ひとりの患者様の歯並びに合わせた矯正治療です。
スタンダードエッジワイズ
法の仕組み

矯正治療は、弱い力が連続的に与えられることによって起こる歯周組織の「吸収」と「再生」を利用して歯を動かします。歯に一定の力を与えるためにワイヤー(アーチワイヤー)の弾力を利用するワイヤー矯正のひとつが「スタンダードエッジワイズ法」です。
図は、スタンダードエッジワイズ法のワイヤーを上下の歯列に装着したところです。歯並びに合わせてワイヤーがでこぼこと曲がっているのがスタンダードエッジワイズ法の特徴です。
ただ歯列弓に沿ってワイヤーを曲げてあるだけでなく、歯の大きさや傾き、歯が動く力が働く方向等の情報を読み取り、歯の動きに合わせてその都度適切にワイヤーを曲げ、歯がきれいに並ぶように適切な矯正力を歯に伝えて行きます。
このようにスタンダードエッジワイズ法は、歯列に合わせて細かい調整を行う工程が多い治療方法ですが、治療の適切さを大切にするため、当院ではスタンダードエッジワイズ法による矯正治療を行っています。

歯並びやあご、歯の大きさなどは患者さん一人ひとり異なります。
歯科矯正ちどり歯科医院では『きちんと噛めるかみ合わせ』と『口元のバランス』に配慮しスタンダードエッジワイズ法を用いて、患者さん一人ひとりの歯並びに合わせた矯正治療を行っています。
矯正治療の流れ
ご相談
(所要時間:30分~60分)
口腔内を拝見し、歯列がどのような状態かをチェックさせていただきます。また、患者様の不安や心配事を伺い、ひとつひとつにお答えしていきます。レントゲンなどの精密調査を受けて頂かないと確定的なことは申し上げられませんが、分からないことがあれば遠慮なくご相談下さい。
検査
(所要時間:60分)
初診相談後、治療をご希望の場合は検査を行います。
基本的には、口腔内写真撮影、レントゲン写真(頭部X線規格写真、パノラマX線写真)撮影、模型採取、唾液検査、歯周病検査(歯周ポケットの計測)などを行います。
この検査が完了してから、次の診断の準備ができるまで、1週間程度のお時間がかかります。
口腔写真/顔貌写真

頭部エックス線規格写真(セファロ)

パノラマエックス線写真

診断・治療方針のご説明
(所要時間:30分)
初診相談のときに、大まかな治療期間、費用についてはお話ししていますが、検査の結果をもとに、正式な治療計画をたてます。適切な治療方法を決定し、治療期間、治療費について改めてご説明いたします。
治療方法、治療期間、治療費すべてにご納得いただいた時点で、治療開始となります。
また、唾液検査、歯周病検査の結果から、虫歯のなりやすさ(カリエスリスク)、歯周病のかかりやすさ(歯周病リスク)をご説明します。
虫歯・歯周病の予防法を学んでいただくとともに、歯磨きが不十分なお子様には歯磨き指導を行います。
抜歯(*必要な方のみ)
歯並びによっては、矯正治療をするのに歯を抜く必要のある方がいらっしゃいます。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
虫歯・歯周病の予防法を学んでいただくとともに、歯磨きが不十分なお子様には歯磨き指導を行います。
動的治療:矯正装置の
装着・歯の移動開始
いよいよ矯正治療の開始段階です。
矯正装置を装着するときは、治療時間を60分~90分程度みてください。
適切な準備をすることで、治療期間がより見通しを立てやすくなります。矯正装置装着後、1か月に1回通院していただく際の診療時間は30分程度です。※症例にもよりますが、おおよそ24か月程度
歯磨き指導
歯磨きが上手にできない場合には、歯磨き指導のために、治療時間が15~30分延長されます。歯磨きが改善されない方は、毎週通院が必要になります。
歯の移動中の調節
歯を移動している治療期間は 1か月に1回程度、通院していただきます。ワイヤーの調整などを行います。治療期間は、抜歯の必要のない方は1年~1年半、抜歯が必要な方は2年~2年半程かかる傾向があります。
静的治療:保定
歯の移動が終わり矯正装置を除去し、保定を行います。(動的治療終了後、2年程度)
保定とはきれいに並んだ歯並びを安定させ、後もどりしないようにするための期間で、リテーナーという歯の位置を安定させるための装置をつけていただきます。
保定期間は、歯の移動にかかった期間と、同じ程度です。
保定期間中は、3~4ヵ月ごとに1回程度通院していただきます。
矯正治療後
矯正治療完了し、定期検診へ
保定期間が終了すると、矯正治療は終了し、虫歯と歯周病を予防するための定期検診を継続していただきます。
| 治療内容 | スタンダードエッジワイズ法を用いた矯正歯科治療 |
|---|---|
| 費用(自費診療) | 大人:約88万円~110万円(税込) 子ども(1期治療):約22万円~55万円(税込)※2期治療費は大人と同じ金額です |
| 通院回数/治療期間 | 大人:通院回数 24回 / 治療期間 約2年 子ども:通院回数 18回 / 治療期間 約1~2年 |
| 副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと口元のバランスを整えるために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
※通院回数および治療期間は目安となります。
矯正治療の費用
相談料・検査料・診断料
| 相談料 | 3,300円(税込) 初回のみ | |
|---|---|---|
| 検査料 | 33,000円(税込) 初回のみ | |
| 診断料 | 無料 | |
矯正治療費(自費診療)
| 部分矯正 | 33,000円(税込)~ | 治療部位、本数等により異なります |
|---|---|---|
| 一期治療 | 220,000円~550,000円(税込) (おおよそ44万円が一般的です。) |
動的治療期間の目安は約1年です |
| 二期治療 | 660,000円~1,100,000円(税込) (おおよそ88万円~110万円が一般的です。) |
動的治療期間の目安は約2年です |
こどもの矯正治療例
こどもの矯正治療Q&A
Aお子様の成長やお口の状態によって、開始に適した時期が異なります。
お子様の矯正治療は、お口の成長発育の変化や歯並びの状態を見極めたうえで、その時期に必要なことを無理なく行っていく治療です。
6才臼歯や永久歯の前歯が生えてくる頃には、将来的な永久歯全体の矯正治療も考慮しながら治療計画を検討していきます。
A患者様のお口の状態や成長の予測によって異なります。
お子様の周りのお友達が始めたからといって焦ったりせず、まずは矯正歯科医にご相談なさってください。
Aお子さまの矯正では、抜歯が必要となる場合と、必要ない場合があります。
当院では、将来的な歯の並びや噛み合わせ、口元のバランスなどを総合的に考慮し、抜歯・非抜歯の両方の治療の選択肢を検討します。
治療の必要性がある場合には、どのような理由で抜歯を考えるのか、抜歯をしない場合の経過はどうなる可能性があるのかについて、丁寧にご説明します。
抜歯にはご不安を感じられる親御さんも多いと思いますが、治療のメリット・デメリットを理解した上で、ご家族が納得できる治療方針を一緒に決めていくことを大切にしています。
Aお子様の成長や歯周組織の状態などによっては、永久歯が生え揃うまで経過観察を行う場合がございます。
治療を開始するタイミングについては、まずは矯正歯科医にご相談なさってください。
<成長や歯周組織に悪影響を与える可能性があるケース>
・かみ合わせや歯並びの状態により、呼吸・咀嚼・発音がしにくくなることがある
・かみ合わせの影響で、反対側の歯や歯ぐき・唇などの歯周組織に負担がかかりやすくなることがある
A歯並びによっては、矯正治療をするのに歯を抜く必要のある方がいらっしゃいます。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
同意なく抜歯をすることはありませんので、ご安心ください。
A歯を並べるためのスペースが不足している場合、抜歯によってスペースを確保する方法を検討することがあります。
大人の矯正では、成長によるあごの拡大が期待できないため、歯を並べるためのスペースを確保する手段として、非抜歯で進められる場合と、抜歯を併用する場合があります。
抜歯が必要と診断された場合には、抜歯を行う理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットをご説明し、患者様ご自身にご判断いただいています。
患者様のご理解とご同意がないまま抜歯を行うことはありません。
A矯正装置を装着すると、歯みがきがしづらくなることで虫歯のリスクが高まることがあります。
装置の周囲に汚れが残りやすくなるため、普段より丁寧な口腔ケアが必要になります。
しかし、食事のたびのブラッシングや歯科医院での定期的なクリーニングを行うことで、虫歯や歯周病のリスクを抑えることができます。
当院では、患者様ごとに担当の歯科衛生士がつき、クリーニングや歯みがき指導を行いながら、治療中の口腔ケアをサポートしています。
Aもし虫歯や歯周病が見つかった場合は、適切な対応ができるよう連携しながら治療を進めていきます。
当院では矯正治療を始める前に、虫歯や歯周病のなりやすさを確認するための検査(カリエスリスク検査・歯周病検査)を行っています。
虫歯は、口腔内の細菌が食べ物を分解して生じる酸によって歯のカルシウムが溶け出す(脱灰)ことで起こります。同じ条件でも虫歯になりやすい方・なりにくい方がいるのは、細菌だけでなく、口腔環境(宿主の感受性)や食生活など複数の要因が関係しているためです。
検査で得られた情報をもとに、患者様に合わせた口腔ケアのアドバイスを行い、治療中の虫歯リスクに配慮して進めていきます。
動的治療が始まったら月に1回程度調節にお越しいただきますが、その際にお口のチェック(歯磨きが十分にできているか、虫歯や歯周病になっていないかなどの確認)も行います。


