ー ミドル・シニアの矯正治療 ー
もし歯並びで気になることがあれば一度ご相談ください。
ミドル・シニアの矯正治療の特徴
歯が健康であれば矯正治療は何歳からでも始められる
特に50代以上の方は、年齢を理由に矯正治療を諦めてしまう方も多くいらっしゃいます。歯が健康で、あごの骨がしっかりしていれば矯正治療は何歳からでも始めることができます。
歯の寿命がのびる
歯並びや噛み合わせが整うことで、歯みがきがしやすくなり、汚れやプラークが溜まりにくくなる場合があります。その結果、歯周病の進行予防に繋がり、天然歯を長く保ちやすくなることが期待できます。
見た目の面だけでなく、歯の健康維持という観点でも矯正治療が役立つ場合があります。
矯正できない場合もあります
歯が健康で、あごの骨がしっかりしていれば矯正治療は何歳からでも始めることができますが、健康状態に問題があれば矯正できない場合もございます。
歯の移動に時間がかかります
矯正治療は、歯周組織の吸収や再生(骨の代謝機能)を利用して歯を動かす治療です。年齢とともに代謝機能が変化するため、治療の進み方がゆるやかに感じられる場合があります。
そのため、治療に必要な期間が長くなることもありますが、歯並びの状態や治療方法によっては大きく異なります。
保定期間が長くなる可能性があります
年齢に伴い歯や歯周組織の状態が変化することで、治療後に歯が元の位置に戻ろうとする力が強く働く場合があります。
そのため、安定した歯並びを維持するために、保定期間を長めに設定することがあります。
保定方法や期間については、お口の状態に合わせてご相談しながら進めていきます。
バランスのとれた口元 Eライン
Eライン
鼻とおとがいの線を結んだラインをEラインといいます。横顔のバランスを見る指標のひとつとされており、治療の参考情報として扱われる場合があります。
当院では、正面から見た歯並びだけでなく、横顔の印象や口元の調和にも配慮しながら治療計画を立てています。
ただし、顔貌の変化には個人差があり、治療によって必ず見た目が変わるわけではありません。
歯並びと噛み合わせの改善に伴い、口元の見え方が変化した一例です。
治療前は下唇がEラインに重なっていましたが、治療後には口元の突出感が軽減し、すっきりとした印象になりました。
| 主訴 | 前歯が出ている、歯のでこぼこ |
|---|---|
| 診断名 | 上下顎前突(両突歯列・口元突出) |
| 初診時年齢 | 17才 |
| 治療内容 | 上下吸切歯にスタンダードエッジワイズ装置にて矯正を行いました。 |
| 治療に用いた主な装置 | マルチブラケット装置 |
| 抜歯部位 | 上下第一小臼歯 |
| 費用(自費診療) | 約88万円~110万円(税込) |
| 通院回数/治療期間 | 通院回数 24回 / 治療期間 約2年 |
| 副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと口元のバランスを整えるために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
※結果には個人差があります。
スタンダードエッジワイズ法による矯正治療
スタンダードエッジワイズ法とは
矯正治療は、理想的な歯列・正しい噛み合わせをゴールとして患者様の歯を配列(はいれつ:順序を決めてきちんと並べること)する歯科治療です。あごや歯の大きさや歯列の状態、不正咬合の程度は患者様によって一人ずつ異なるため、歯を動かす程度や順番も、患者様によって一人ずつ異なります。
当院が用いているスタンダードエッジワイズ法は、患者様の歯列弓や歯並びに合わせてワイヤーを曲げ、歯が動く段階に合わせて細かく調節を行う、一人ひとりの患者様の歯並びに合わせた矯正治療です。
スタンダードエッジワイズ
法の仕組み

矯正治療は、弱い力が連続的に与えられることによって起こる歯周組織の「吸収」と「再生」を利用して歯を動かします。歯に一定の力を与えるためにワイヤー(アーチワイヤー)の弾力を利用するワイヤー矯正のひとつが「スタンダードエッジワイズ法」です。
図は、スタンダードエッジワイズ法のワイヤーを上下の歯列に装着したところです。歯並びに合わせてワイヤーがでこぼこと曲がっているのがスタンダードエッジワイズ法の特徴です。
ただ歯列弓に沿ってワイヤーを曲げてあるだけでなく、歯の大きさや傾き、歯が動く力が働く方向等の情報を読み取り、歯の動きに合わせてその都度適切にワイヤーを曲げ、歯がきれいに並ぶように適切な矯正力を歯に伝えて行きます。
このようにスタンダードエッジワイズ法は、歯列に合わせて細かい調整を行う工程が多い治療方法ですが、治療の適切さを大切にするため、当院ではスタンダードエッジワイズ法による矯正治療を行っています。

歯並びやあご、歯の大きさなどは患者さん一人ひとり異なります。
歯科矯正ちどり歯科医院では『きちんと噛めるかみ合わせ』と『口元のバランス』に配慮しスタンダードエッジワイズ法を用いて、患者さん一人ひとりの歯並びに合わせた矯正治療を行っています。
矯正治療の流れ
ご相談
(所要時間:30分~60分)
口腔内を拝見し、歯列がどのような状態かをチェックさせていただきます。また、患者様の不安や心配事を伺い、ひとつひとつにお答えしていきます。レントゲンなどの精密調査を受けて頂かないと確定的なことは申し上げられませんが、分からないことがあれば遠慮なくご相談下さい。
検査
(所要時間:60分)
初診相談後、治療をご希望の場合は検査を行います。
基本的には、口腔内写真撮影、レントゲン写真(頭部X線規格写真、パノラマX線写真)撮影、模型採取、唾液検査、歯周病検査(歯周ポケットの計測)などを行います。
この検査が完了してから、次の診断の準備ができるまで、1週間程度のお時間がかかります。
口腔写真/顔貌写真

頭部エックス線規格写真(セファロ)

パノラマエックス線写真

診断・治療方針のご説明
(所要時間:30分)
初診相談のときに、大まかな治療期間、費用についてはお話ししていますが、検査の結果をもとに、正式な治療計画をたてます。適切な治療方法を決定し、治療期間、治療費について改めてご説明いたします。
治療方法、治療期間、治療費すべてにご納得いただいた時点で、治療開始となります。
また、唾液検査、歯周病検査の結果から、虫歯のなりやすさ(カリエスリスク)、歯周病のかかりやすさ(歯周病リスク)をご説明します。
虫歯・歯周病の予防法を学んでいただくとともに、歯磨きが不十分なお子様には歯磨き指導を行います。
抜歯(*必要な方のみ)
歯並びによっては、矯正治療をするのに歯を抜く必要のある方がいらっしゃいます。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
虫歯・歯周病の予防法を学んでいただくとともに、歯磨きが不十分なお子様には歯磨き指導を行います。
動的治療:矯正装置の
装着・歯の移動開始
いよいよ本格的な矯正治療の開始です。
矯正装置を装着するときは、治療時間を60分~90分程度みてください。
ここで、十分な時間をとっていただくと、治療期間全体が短くて済みます。矯正装置装着後、1か月に1回通院していただく際の診療時間は30分程度です。※症例にもよりますが、おおよそ24か月程度
歯磨き指導
歯磨きが上手にできない場合には、歯磨き指導のために、治療時間が15~30分延長されます。歯磨きが改善されない方は、毎週通院が必要になります。
歯の移動中の調節
歯を移動している治療期間は 1か月に1回程度、通院していただきます。ワイヤーの調整などを行います。治療期間は、抜歯の必要のない方は1年~1年半、抜歯が必要な方は2年~2年半程かかる傾向があります。
静的治療:保定
歯の移動が終わり矯正装置を除去し、保定を行います。(動的治療終了後、2年程度)
保定とはきれいに並んだ歯並びを安定させ、後もどりしないようにするための期間で、リテーナーという歯の位置を安定させるための装置をつけていただきます。
保定期間は、歯の移動にかかった期間と、同じ程度です。
保定期間中は、3~4ヵ月ごとに1回程度通院していただきます。
矯正治療後
矯正治療完了し、定期検診へ
保定期間が終了すると、矯正治療は終了し、虫歯と歯周病を予防するための定期検診を継続していただきます。
| 治療内容 | スタンダードエッジワイズ法を用いた矯正歯科治療 |
|---|---|
| 費用(自費診療) | 大人:約88万円~110万円(税込) 子ども(1期治療):約22万円~55万円(税込)※2期治療費は大人と同じ金額です |
| 通院回数/治療期間 | 大人:通院回数 24回 / 治療期間 約2年 子ども:通院回数 18回 / 治療期間 約1~2年 |
| 副作用・リスク | 装置を初めて装着した時とワイヤーの調節を行った直後に数日間痛みを感じる場合があります。 歯に矯正装置を装着するため、歯磨きをしづらくなって磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなることがあります。 歯を動かすことにより、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。 歯並びを整え、きちんと噛めるかみ合わせと口元のバランスを整えるために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。 保定のためのリテーナーを適切に使用しないと後戻りする場合があります。 |
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
※通院回数および治療期間は目安となります。
矯正治療の費用
相談料・検査料・診断料
| 相談料 | 3,300円(税込) 初回のみ | |
|---|---|---|
| 検査料 | 33,000円(税込) 初回のみ | |
| 診断料 | 無料 | |
矯正治療費(自費診療)
| 部分矯正 | 33,000円(税込)~ | 治療部位、本数等により異なります |
|---|---|---|
| 二期治療(大人の矯正) | 660,000円~1,100,000円(税込) (おおよそ88万円~110万円が一般的です。) |
動的治療期間の目安は約2年です |
矯正治療例
ミドル・シニアの矯正治療Q&A
Aはい。大人の方でも、お口の状態によっては矯正治療を受けていただけます。
矯正治療は永久歯の歯列とかみ合わせを整えることを目的としています。大人の方でも、歯やあごの骨の状態が良ければ矯正治療を行うことができます。
代謝機能の関係でお子様より治療期間が長くなる傾向がありますが、あごや骨の成長変化を受けないため、治療計画を立てやすいという利点があります。
治療にあたっては、現在のお口の状況や生活スタイルに合わせて無理のない治療計画をご提案いたします。
A軽い痛みを感じる方もいらっしゃいますが、数日で治まる方が多いです。
矯正歯科の治療は、歯を根から動かしていきます。そのため、装置を初めて装着した時や、ワイヤーの調整を行った直後に数日間、ジーンとした軽い痛みを感じる方が多いようです。歯が動いていく過程で周囲の組織に力がかかるため、一時的に痛みを感じることがあります。多くの方は数日で装置に慣れ、痛みが気にならなくなることがほとんどですが、痛みが強いときは鎮痛剤を服用して様子をみてください。
装置が唇や歯ぐきに当たって痛む場合は、保護用ワックスを使用してみてください。装置が破損している場合は、お電話にてご連絡ください。
A目立ちにくい色のマルチブラケット装置をお選びいただけます。
歯の表面に取り付ける装置をブラケットと言いますが、以前は金属ブラケットが一般的だったため、装置が目立ちやすいというデメリットがありました。
現在では、白色や透明色など歯の色になじみやすい素材を使ったマルチブラケット装置も開発されており、従来と比べて見た目への配慮がしやすくなっています。
当院でも取り扱いがございますので、できるだけ目立ちにくい装置をご希望の方はご相談ください。
A歯並びによっては、矯正治療をするのに歯を抜く必要のある方がいらっしゃいます。
抜歯が必要と診断された方には、抜歯の理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットについてご説明をした上で、患者様自身にお決めいただいております。
同意なく抜歯をすることはありませんので、ご安心ください。
A歯を並べるためのスペースが不足している場合、抜歯によってスペースを確保する方法を検討することがあります。
歯を並べるためのスペースが不足している場合には、抜歯によってスペースを確保する方法を検討することがあります。
大人の矯正では、成長によるあごの拡大が期待できないため、歯を並べるためのスペースを確保する手段として、非抜歯で進められる場合と、抜歯を併用する場合があります。
抜歯が必要と診断された場合には、抜歯を行う理由、抜歯をする場合としない場合のメリット・デメリットをご説明し、患者様ご自身にご判断いただいています。
患者様のご理解とご同意がないまま抜歯を行うことはありません。
A矯正治療にはメリットとリスクの両面があります。お口の状態に応じて適切に治療を進めることが大切です。
歯を動かす過程で、ごくわずかに歯根吸収がみられることがありますが、定期的な診察・レントゲン検査などで経過を確認しながら進めることで、過度な負担がかからないよう配慮していきます。
また、矯正治療と顎関節症の関係は個人差があり、かみ合わせ・顎の関節・日常生活での習慣など、複数の要因が影響します。
そのため治療計画を立てる際には、かみ合わせや顎関節の状態も含めて総合的に評価することが重要です。
A歯根吸収とは、歯の根の一部が吸収されて短くなる現象のことです。
矯正治療において歯を動かす際に、歯根吸収がみられることがあります。多くの場合は経過観察の範囲で問題ない程度ですが、歯に強い力が長期間かかり続けるとリスクが高まるとされています。
そのため治療では、力のかかり方・治療期間・歯根の状態を確認しながら進め、定期的なレントゲン検査などを通して歯根への負担に配慮していきます。
A歯肉退縮とは、歯茎が下がり(退縮)、歯根が露出するようになった状態のことを言います。
歯の根の表面が露出することで、知覚過敏・虫歯・歯周病のリスクが高まる可能性があります。原因には、強すぎるブラッシング、歯周炎、外科的処置の影響などが挙げられます。
矯正治療を行う際は、歯ぐきや歯根に過度な負担がかからないよう、歯に加わる力や治療の進め方に配慮しながら経過を確認していきます。
A矯正装置を装着すると、歯みがきがしづらくなることで虫歯のリスクが高まることがあります。
装置の周囲に汚れが残りやすくなるため、普段より丁寧な口腔ケアが必要になります。
しかし、食事のたびのブラッシングや歯科医院での定期的なクリーニングを行うことで、虫歯や歯周病のリスクを抑えることができます。
当院では、患者様ごとに担当の歯科衛生士がつき、クリーニングや歯みがき指導を行いながら、治療中の口腔ケアをサポートしています。
Aもし虫歯や歯周病が見つかった場合は、適切な対応ができるよう連携しながら治療を進めていきます。
当院では矯正治療を始める前に、虫歯や歯周病のなりやすさを確認するための検査(カリエスリスク検査・歯周病検査)を行っています。
虫歯は、口腔内の細菌が食べ物を分解して生じる酸によって歯のカルシウムが溶け出す(脱灰)ことで起こります。同じ条件でも虫歯になりやすい方・なりにくい方がいるのは、細菌だけでなく、口腔環境(宿主の感受性)や食生活など複数の要因が関係しているためです。
検査で得られた情報をもとに、患者様に合わせた口腔ケアのアドバイスを行い、治療中の虫歯リスクに配慮して進めていきます。
動的治療が始まってからは、月に1回程度の調整の際に、歯みがきの状況や虫歯・歯周病の有無などを定期的に確認していきます。不安な点がある場合はいつでもご相談ください。
A歯周病がある場合は、まず歯周病の状態を改善してから矯正治療を検討することが大切です。
歯周組織(歯ぐきや歯槽骨)に炎症がある状態で歯を動かすと、歯ぐきや骨に負担がかかりやすくなる可能性があります。また、プラークコントロールが十分でないまま矯正装置を装着すると、歯周病が進行してしまうリスクが考えられます。
そのため、歯周病が確認された場合には、まず歯周病治療を行い、炎症が落ち着いたことを確認したうえで矯正治療をご提案しています。
A原則として保険適用外の治療となります。
現在の日本の医療法では、矯正歯科の治療は、一部を除いては保険の適用が認められていません。保険外のいわゆる「自由診療」となります。
保険が適用されるのは、
1)厚生労働省が認める特定疾患をともなう不正咬合 または 外科手術の併用が必要な不正咬合の場合
2)保険で矯正を行う認可を受けている医療機関で治療を受けた場合
に限ります。当院は自立支援医療(更生・育成医療)指定機関・顎口腔機能診断施設としての認可を受けております。顎変形症や口唇口蓋裂の矯正治療を保険で行うことができます。詳しくはお問い合わせください。
Aご予約の上、現在受けている治療の検査資料をお持ちください。
セカンドオピニオンとは「第二の意見」です。主治医の診断などについて、第三者の医師が専門的な意見を述べることですので、主治医が診断を下したのと同じ検査資料を拝見して、患者様のお口やあごの状態などを詳しく知る必要があります。
なお、セカンドオピニオンでは、主治医の診断や治療の是非について述べることはできません。現在の治療の継続について悩まれている場合や、転院について相談したい場合は、ご予約の際にその旨をお伝えください。


